パナウル診療所実習報告

 

神戸大学医学部6年生 小畑権大

 

今回、鹿児島県与論島のパナウル診療所にて2週間、実習をさせて頂きました。

 

まずなぜ私が与論島パナウル診療所で実習をしようと思ったかについて触れさせていただきます。私が初めて与論島を訪れたのは実習の一年前の夏でした。その時は個人的な旅行で4日ほど島に滞在したのですが、まず海がきれいなこと、そして島の人たちの温かさが印象的でした。島のどこからでも青のコントラストが豊かな海が見え、その眺めはいくら見ていても飽きないほどでした。また、たった4日間の滞在だったのにもかかわらず、島の人たちとの飲み会に参加したりなど、すごくアットホームな雰囲気を味わえました。与論島への旅人にはリピーターが多いと聞いていましたが、私自身もいつか与論島へ再訪したいなと思っていました。それから何ヶ月かして六年生の実習先を計画する際に、一年前訪れた与論島でどんな医療が行われているかに興味を抱き、この六年生の実習を利用して離島の医療に触れてみたいと思ったのがきっかけでした。

 

パナウル診療所は島の中心部である茶花から一キロほど離れた那間という地区にあります。午前中と夕方は外来をされ、お昼は往診や禁煙外来・カウンセリング等が行われていました。古川先生は島の多くの人から絶大な信頼を寄せられおり、多くの患者さんが日々来院されていました。余談ですが、島のお土産物店や宿などでどこから来たの?何しに来たの?という話になって、パナウル診療所の話をすると、多くの人たちに「本当に古川先生にはいつも家族みんなお世話になっていて・・・。古川先生みたいなお医者さんに頑張ってなってね。」とよく言われました。それほど古川先生は与論の人にとって必要不可欠な存在であられるということです。

 

先生は毎日多くの患者さんを外来や往診で診られてます。日々一緒に見学させて頂いて思ったことは、多くの患者さんが先生と会って話すだけですごく元気になっていたという事です。もちろん定期の薬をもらいに来ている人もいますが、先生の外来を受ける人の多くは少なからず不安を抱えて受診します。病は気からと言われますが、そんな不安を抱えられた患者さんでも先生の温かい雰囲気に包まれるとすごく気が楽になるのだと思います。ただ医学的な処置や投薬だけが治療というわけではないのです。むしろ私にはそういったものよりも先生と会話したりすることの方が患者さんにとって意味があるように思えました。

 

では、なぜ先生と話すことがそんなにも患者さんを和ませるのでしょうか。それは、古川先生が診療の際に「病」ではなく「人」を診ていらっしゃるからだと思います。医療技術が進歩した今、血液検査や放射線画像などが簡単に得られ、どうしても医師はデーターばっかりを見てしまいがちかもしれません。データーばかりを見てしまっては、時に患者さん自身の訴えをくみとり損ねる事があるかもしれません。患者さんが診療所に行く目的というのはもちろん病気を治してもらうという事もあるかもしれませんが、それ以上に病気に関する不安や日々の悩みを解消してもらうという事の方が大きいかもしれません。先生のそうした医療に対する姿勢というのはとても勉強になりました。

 

これからの医療には、新治療法であったり新薬であったりなどさらなる医学の発展も求められるかもしれませんが、それだけではなく高齢社会を迎えた今、いかに健康寿命を延ばしていくかも課題であるはずです。それは単なる医療技術の進歩で解決するのではなく、医師の日々の診療の取り組み方にも変革が必要なのかもしれません。そこに古川先生から教わったものが活きてくるのだと思います。

今回このような貴重な実習をさせて頂くにあたってお世話になりました、古川先生をはじめ、パナウル診療所の看護師さんやスタッフの方々に感謝申し上げまして、私の報告とさせて頂きます。2週間本当にお世話になり、ありがとうございました。

 

 

 

 

お知らせ

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   13日 自殺対策午後7時~

   14日 LC忘年会

   17日 ヨロンパナウルウオーク

   19日 ハレルヤ保育園検診